2025.10.10
2025年10月9日モーニングセミナー
第705回 経営者モーニングセミナー
講師:山形県倫理法人会相談役 小松建設(株) 小松幸弘氏
テーマ:「倫理は楽しい」
皆様、こんにちは! 山形中央倫理法人会 副会長の菊池です。 今回も大江会長に代わりまして、熱気に満ちたモーニングセミナー(MS)の模様を皆様にお届けいたします。
本日の講師は、昨年まで山形県倫理法人会会長を務められた、小松相談役です。 テーマは、「倫理は楽しい」。 小松相談役の壮絶な苦難と、それを乗り越えて得た「倫理の光」が、私たちの心に深く、深くしみ渡るご講話でした。

苦難福門!「倫理実践」の真髄
小松建設は、公共事業を主軸とする企業です。平成15年、家業が困難な時期、相談役は一つの大決断を下しました。それは、安定した受注を得るために、故郷・中山町から山形市への本社移転です。
周囲の反対や、社員一人ひとりへの説得。その行動の根底には、「会社を存続させ、社員とその家族を守り抜く」という経営者としての強い覚悟がありました。
「大物にぶつかれ!負けても負けてもぶつかれ!」

藁をも掴む思いで奔走していた小松相談役を支えたのが、倫理で出会ったこの言葉です。苦難に正面から立ち向かい、諦めずにぶつかり続ける勇気を、倫理は与えてくれました。

そして、建設業の仲間である東栄コンクリート工業の営業マンから、「値段を下げない仕事」の真の価値を学ばれます。安易な値引きをしないことは、逆に綿密な打ち合わせを可能にし、互いに良い仕事を生み出す信頼の証となる。これは、単なる価格競争を超えた地域社会との信頼関係を築く倫理的な姿勢を学びました。
さらに、事務員さんの徹底した請求管理が、取引先の社員と家族の喜びにつながる—まさしく倫理経営そのものです。
健康という土台の上に成り立つ幸せ
しかし、仕事で盤石な信頼を築き始めた一方で、小松相談役は過度な豪遊と連日の飲酒により、ご自身の健康を著しく損なっていました。
宮城沖地震の直前の健康診断。医師から「今日、明日、いつ倒れてもおかしくない」と告げられたにもかかわらず、薬を拒否するほど、(ここで薬を飲んだら、遊びにいけなくなる!とおもったそうです笑)
当時の生活習慣は乱れていたのです。
会社は良くなったが、明確な後継者がいない。この切実な悩みが、逆に「健康改善」への大きな一歩となりました。
- ・食生活の改善、適切な運動を開始。
- ・雨の日も風の日も、現在2400日以上毎日一万歩を歩き続ける実践力。
- ・結果、30kg以上の減量に成功!
身体が回復するにつれ、経営の考え方も変化しました。
売上を上げるのではなく、「中身を充実させる」経営へ。社員を信頼し、仕事を任せたことで、利益率が飛躍的に向上したのです。儲かった利益は社員への決算手当として還元する——社員と共に会社を運営する倫理的な姿勢が、盤石な経営基盤を築き上げました。

奄美大島への「さくらんぼの愛」そして最愛の娘さんのこと、、、
経営を五代目に譲り、代表権を外した後も、小松相談役の世のため人のための実践は続きます。
奄美・鹿児島への訪問時、市長や150人もの住民・子どもたちの熱烈な歓迎に心から感激し、「あの素晴らしい子どもたちに、山形の最高の味を届けたい」と決意。
それが、ほとんど現地では味わうことのない、山形産の紅秀峰でした。不作の中、苦労して見つけた紅秀峰を届けたところ、その美味しさに、受け取った人々は一握りのサクランボを大事に親、家族、社員へと届けに回ったそうです。
現地の人たちから、「また来ていいよ!」とは、こちらの言葉ではちょっと上から目線の言葉。。。しかし、
この島の人たちにとって「また来ていいよ!」とは最高の褒め言葉だそうです。
この温かい交流は、Yahoo!ニュースの全国版でも取り上げられました。小さなサクランボが大きな感動と信頼となって広がる倫理の連鎖を体現した出来事です。

ご講話の最後に、小松相談役はほとんど語られることのなかった壮絶な苦難について、重い口を開かれました。
それは、一度も学校も仕事も休んだことのない健康そのものだった娘さんを急性リンパ腫で亡くされた悲しい出来事です。介護の仕事に10年間、皆勤で勤め、地震の際には利用者様を案じて「じいちゃん、ばあちゃんが心配だから、、、」と自主出勤するほど、他者に尽くす心を持った娘さんでした。

抗がん剤治療は絶対にやると言わなかった娘さん。何もしなくていい。。。
そこから身体が衰弱していった。そして、亡くなってしまった。
奥様と二人で看病し娘さんの最後を見送った。
亡くなってから色々考えたが、、、
「娘はこれで幸せだったんじゃないか」
そう考えられるようになった今、「やっと少し気持ちが楽になった」と語られました。苦難の経験が、倫理の深さと人生観に、さらに重みと優しさを与えたことを感じさせます。
最後に伝えたい「二つの確信」
数多くのモーニングセミナーで講話を経験されてきた小松相談役が、今、皆様にどうしても伝えたいこととして、二つの「確信」を語られました。
-
1.「健康に勝るものはない」
-
2.「倫理よりも先に健康だと確信している」
倫理の実践も、仕事の成功も、すべては健康という土台の上に成り立つ。この重い言葉は、ご自身の壮絶な体験から生まれた、嘘偽りのない真実です。
そして、最後に私たちに実践を促されました。

「明るく笑顔で、自分から挨拶!」 「名前を呼んで笑顔で挨拶!」 「何か一つでいい!世のため、人のためにしよう!」
小松相談役の苦難と実践の歴史は、倫理が人生と経営をいかに変えるかを教えてくれました。 この学びを胸に、私たちも「倫理は楽しい」と心から言える日々を、実践を通して築いてまいりましょう!
次回はいつも場を和ましてくれる我らが中央倫理法人会、会員の高野さん!個人的にもメチャクチャ楽しみです!ブログもお楽しみに!

次回のご案内
10月16日(木) 6:30~ 山形国際ホテル6階
講師:山形市中央倫理法人会 会員 (株)CoCoRoN 代表取締役 高野 恭行氏
テーマ:「倫理と生成AI ― 『楽しい街』をつくる人間らしさ」
本ブログの講話内容記載で誤り等がある場合は、HPお問い合わせ又は事務局
ycrinri@gmail.comまでお申し出ください。

