会長ブログ

2025.05.30

2025年5月29日モーニングセミナー

第687回 経営者モーニングセミナー
講師: 山形市中央倫理法人会 会員 東栄コンクリート㈱ 代表取締役 新田裕之氏
テーマ:倫理経営を通してGLOCAL企業を目指す取組み事例の紹介

 

ブログをご覧の皆さま、こんにちは!
本日のモーニングセミナーは、当会の2代目会長 東栄コンクリート㈱ 代表取締役 新田裕之氏よりご講話いただきました。
参加できなかった会員様、入会を検討している未会員様に講話内容を通し倫理の魅力を少しでも感じていただけたらと思い、講話内容と私の所感を添えた形でお伝えします。

 

 

プロフィール 1958年2月19日山形市生まれ。日本大学山形高等学校(バレー部所属)、日本大学生産工学部土木工学科卒業(構造研究室)、1980年4月東栄コンクリート㈱入社、2005年2月代表取締役就任、現在に至る。2020年3月、日本大学大学院生産工学研究科
土木工学専攻 博士後期課程修了 博士(工学)学位取得
倫理歴 2011年9月山形市中央倫理法人会設立時に入会=副会長拝命、2014年9月~2年間、会長。2016年9月相談役、現在は会員。

 

妻、長女、愛犬チワワと仙台市在住(住所は山形市のため納税・選挙権は山形に)
趣味は温泉・海外・車が大好き。

 

2011年9月の山形市中央倫理法人会設立時に、でん六の鈴木社長から「お話をしたいことがあるので、今から会社にお伺いしたい」との電話を受け5分も立たずに会社に来てくれた。入会のお誘いだった。体育会系で育ったため、ハイかイエスかの返事しかなく入会を決めることになり、入会と同時に副会長というお役を頂き倫理活動がスタートした。
今回は「倫理経営を通してGLOCAL企業を目指す取組み事例の紹介」をテーマにした講話でした。グローカルとはグローバルとローカルの造語。山形にこだわり山形から全国への展開、世界へチャレンジする活動を日々続けている。県内3工場で製造した製品を国内35県への納入実績があり、残り12県も達成できるようにしたい。昨年は宮古島へも納品した。コンクリート製造品目は様々だが、強みは現場に合わせたオーダーメイド製品。昨年はLeaders‘Awardの表紙に載せて頂きました。グローバルな経営者たちと高みに挑戦し続けたい。

 

 

山形にこだわりを持っているが、人口減少は避けて通れない。今月あたりで山形県人口は100万人を割ってしまう。青森県約116万人、秋田県約90万人、岩手県約115万人、福島県約175万人、宮城県約225万人のうち仙台市は約109万人。仙台市の人口だけで山形県人口を上回っている。公共事業は人口に比例するため山形だけでの商売は厳しくなる。それを見越し1990年4月に仙台営業所を後輩と2人で必死になり立ち上げた。技術屋だったので初めての集金の際100万円の領収証を切るのに印紙の貼り方が分からずお客様の事務員さんに教えて頂き、手に汗をかいた記憶が蘇った。山形にこだわる理由は、県民に雇用の機会をつくること、と真面目で堅実な県民性のため。良い仕事をしてくれるから。

 

ドイツは業界の世界先端国。そのドイツの展示会へ先月も社員2名を連れて行ってきたが、1898年4月に初めて行った際カルチャーショックを受けた。当時の東栄コンクリートの納品先は片道50~100㎞圏内があたりまえと思っていたが、ドイツの企業では片道800㎞先まで納品することに大変驚いた。それから距離と言う概念の壁が取り払われ、全国の依頼を受けようと決心した。
イノベーションとは技術革新と日本人は捉えている。しかし、ヨーゼフ・シュンペーターの教えではイノベーションとは新結合(組合せの思考)ということが分かった。
自動車メーカーのフォードは世界初の生産ラインを作った会社。そのアイデアの根源は、シカゴの牛肉精製に用いられていた天井トローリーコンベアから得られた。というように新たな組合せで技術革新は可能だと知った。「頼まれごとは試されごと」まずは受けてから悩むという姿勢に考えが変わった。
現在は大手ゼネコンと協力関係にあるが、きっかけは「困っているから助けてほしい」に応えてきたから。悩みながらもその時その時に最善の策で対応したこと&ここでも真面目で堅実な県民性を評価してもらい大変喜ばれている。
高速道路のインターチェンジ料金所ゲートは船型のコンクリート製品でできている。トールゲートと呼ばれ、この製品は東栄コンクリート㈱が日本のトップメーカー。

 

 

倫理経営の実践では、万人幸福の栞を大切にしている。17ヶ条が全てできたら何も悩むことは無い人生だろう。自身が行きつく先は「明朗・愛和・喜働」=純情(すなお)である。
基礎講座で教えてもらったこと「岐路に立った時、楽な道を選ばず困難な道を選べ」。この言葉を実感した出来事=羽田クロノゲート・フォーラム棟建設の依頼を受けた際、建築部長から「難しすぎて失敗したら会社そのものがおかしくなるリスクがある」と言われた。世界初の工法でもあるため1週間悩んだ。寝付けなかった。悩んだ結果「岐路に立った時、楽な道を選ばず困難な道を選べ」の言葉が夢に出てきた、そして翌朝その仕事を受けることを決断した。社員旅行の海外チームの日、まだ周りが暗い朝早い時間から仕事をしている社員がいた。聞くと、前日の朝7時からとのこと。だが創意工夫の結果、日を追うにつれ徐々に短くなり午後4時前には終わるようになった。よくぞやってくれた!工事終了時とても良い製品を作ってくれたとゼネコンの副所長が、工場に足を運んでくれ製作担当者の1人1人に御礼をしに来てくれた。男気が伝わり、思い切って受けて良かったと再認識した。

 

自身は常にはがき10枚と万年筆を持ち歩いている。あいさつした方にその地で御礼はがきを書くことを習慣化している。これが相当の威力があり、次回お会いする際の距離感がぐっと短くなる。はがきの威力はすごい。

 

その他、盛和塾で稲森和夫氏の学びだったり、アメリカで大活躍の大谷翔平に学び、企業にとって大切なものを考えている。
・目標達成表(マンダラーチャート)の活用
・花巻東高校野球部、佐々木洋監督の言葉
「プロになれるのは一握りでその他生徒は社会で働く人がほとんどであ。その際、金髪にピアスなどの姿であったら雇ってくれますか?だから野球を通して人間力を鍛え、磨いている」

 

 

コンディショニングコーチ立花龍司氏の教えも大きい。
・リーダーとは?
率いる統率者:人々を自分についてこさせる→統率者が間違えれば皆間違える
導く指導者:人々を目的に向かわせる→常に正しい方向に進みやすい
・リーダーシップとは?
指導者としての能力→率先垂範→人々の先頭に立ち自ら模範を示す
・リーダーは言葉を選ぶ
同じことをするにしても「〇〇をするな」(ネガティブ)と「〇〇しよう」(ポジティブ)とでは結果がまるで違う
・本当のチームワーク
一人ではなく助け合うこと+個人の功績の可視化+依存心の払拭
勝つための責任範囲を明確にする 責任範囲を決めるとき最も重要なこと→
上司が決めるMust(しなければならないこと・部下が決めるWant(したいこと)を一緒に考えつくることで距離が縮まる。
・組織の強さは会議でわかる
① リーダーは最後に意見を言う
② 部下から、または年下から意見を話してもらう
③ 圧倒的にリーダーより部下の口数が多い
④ リーダーの方が口数が多い場合、そのほとんどが部下への質問

 

リーダーは船の船長である。

5年毎に社員旅行を海外にしているが、理由は世界を見ることで日本は素晴らしい国なんだと再認識してもらうこと。自分の視野を広げ仕事に誇りをもってもらいたい。
これからも倫理を学び続けていきます。

 

 

 

講話を聞いて
新田さんは、高校時代の体育会系(競技は違います)の先輩ということでお会いする度、何かと気にかけてくださいます。どっしりと地元山形に据えながら自社製品が日本のあらゆる建造物に組み込まれ形つくられている。それには倫理の心を持った新田社長が精力的に最先端を学び、伝え歩み続けている他なりません。朝食会では海外出張の裏話しなど講話で聞けなかったお話が続き、大変盛り上がりました。
その中で強調されていたことは、120名の社員の中で特に側近には、社長に物言う人間がいないとダメになる。と言う言葉でした。イエスマンだらけの会社で長く続いたところは多くない。社長は何でもできるから間違っても誰も正してくれない。だからこそ、ダメ出しをしてくれる側近は必要だと教えてくれました。
朝日が降り注ぐ朝食会はにこやかに有意義な時間を過ごすことができました。

新田社長、本日は貴重なご講話ありがとうございました。

 

 

それでは皆さん、今年1年と本日も彩りのある1日にしてまいりましょう!

本日のモーニングセミナー参加人数:32名

次回のご案内
6月5日(木) 6:30~  山形国際ホテル6階
講師:おかげさま文房具店 店主 土屋 稚氏
テーマ:おかげさま文房具店について

 

本ブログの講話内容記載で誤り等がある場合は、HPお問い合わせ又は事務局

ycrinri@gmail.comまでお申し出ください。

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