2024.09.26
2024年9月26日モーニングセミナー
2024年9月26日
第654回 経営者モーニングセミナー
講師:東北文教大学 短期大学部 現代福祉学科 助教 伊藤就治氏
東北文教大学 認知症カフェ同好会
学生 長岡光希氏 押野亜美氏
テーマ:学生主体の認知症の支援の輪を広げる取り組み
ブログをご覧の皆さま、こんにちは!
本日は東北文教大学34歳の助教・伊藤就治先生と21歳大学3年生長岡光希さんと押野亜美さん、3人での講話でした。
参加できなかった会員様のため講話内容を要約した形でお伝えします。
はじめに伊藤先生の講話、その後、学生2人による講話と認知症予防体操を参加者全員で行いました。
助教の伊藤先生は34歳、山形県立保健医療大学卒業後に山形の病院に9年間看護師・保健師として勤務。その中で認知症の患者との接点を持つ。そこからの縁で現職に就き、認知症の支援や取り組みを学生と共に実践中。全国に認知症カフェは多くあるが、大学の中で学生が主体として活動しているのは全国でも珍しく県内では初。
「痴呆症」と「認知症」=ほぼ同意義だが様々な理由から2004年12月に「認知症」と呼称変更。65歳以上の認知機能が低下し生活に支障が生じた状態を認知症という。
昨今の日本は、高齢化社会、超高齢化社会に向かっており、2025年には認知症高齢者が700万人になると推計されている。これは65歳以上5人に1人。認知症予備軍も合わせると、なんと65歳以上の4人に1人!
おもな症状は、自分の居場所がわからない。同じことを何度も聞く。約束自体を忘れる。目の前の家族がわからない等、単に部分的な物忘れとは違い、そのこと自体を忘れていることが認知症による記憶障害の例。
コミュニケーションが取れなくなることから、周りから人が離れ、家族の介護負担も増え、距離を置かれ孤独に。
薬では症状を遅らせることはできるが、治すことはできない。
自身が認知症と気づいていない、又は、認知症と認めない人も…
この事業のきっかけは、令和5年10月の市民公開講座から。地域住民とのつながりに必要性を感じた。
そこで、認知症当事者や家族の人々が相談や情報交換を得ることでの心理的負担軽減、安心して過ごせる環境づくりを目的とし、多職種の連携やケア相談の質の向上の役割も含めた参加者が気軽に集える交流の場として認知症カフェを始める。
続いて長岡さん押野さん、2人の学生からの講話。
カフェの名前は「CAFÉ COMFORT」
周りから、認知症カフェでは名前が悪いなどの意見を受け、この名前にした。
居心地が良い空間のカフェにしたいとの想い。
学校の部活動同好会として、令和6年4月から大学内でカフェ活動。学生が本格的なドリップコーヒーを目の前で作り提供。多世代の交流を図れ、オリジナル体操を考案。
集まる参加者から「コーヒーがとてもおいしい」「学生と触れ合えることが嬉しい」「若い方が認知症に興味を持ってもらえていることがありがたい」「薬よりも交流することで元気がもらえる」と嬉しい言葉をもらえ、学生は「やってみたら充実感がある」「生活の一部として地域の人が安心できるようになりたい」と前向きな意見が出てきた。
このほかにもスマホ操作講習会など、生活に役立つ活動もしている。
少しずつこの行動の「価値」が見えてきた。
今後は、大学内での定期カフェ開催や、福祉イベントでの普及・啓発活動、市内の敬老会出張サービスなど、活動の幅を広げていきたい。
以上が、ぎゅっと絞った要約となります。
加齢で起こる認知症は誰しもなり得ることであり、他人事ではないことを教えてもらいました。そして、若い力が高齢化社会の現状を真正面からとらえ、解決まではいかなくても今自分たちにできることを考え行動していることが、非常に頼もしく感じました。
今後ますます日本は超高齢化社会に進むことになりますが、この認知症患者、家族と同じ目線・ベクトルで物事をとらえ・考え・行動することで、当事者と家族の心理的負担・ストレスが少しでも軽くなる日本を作っていってもらいたいと、49歳、初老の私が実感しました!笑
先生は若くも多数の発表の場を経験されており、すごく聞き取りやすかったという印象と、学生21歳コンビもしっかりと堂々と話す姿には感心しました。同じ年代の娘を持っている身としては、果たして自分の娘はどうか?姿・形を重ねて見ている自分がいました…
それでは本日も彩りのある1日にしてまいりましょう!
次週のご案内
10月3日(木) 6:30~ 山形国際ホテル6階
講師:山形敬寿園 業務主査 兼 作業療法士 渡辺庸介氏
山形敬寿園 管理者 兼 看護主任 武田彩氏
テーマ:訪問看護事業の成長戦略~持続可能な成長を目指して~