会長ブログ

2026.05.22

2026年5月21日モーニングセミナー

2026年5月21日
第735回 経営者モーニングセミナー
講師: 山形市倫理法人会 会員企業 弁護士法人 武田法律事務所 弁護士 武田朋泰氏
テーマ: 苦難福門~悪質クレーマー対応の法知識~

 

ブログをご覧の皆さま、こんにちは!
本日のモーニングセミナーは、山形市倫理法人会 会員企業 武田朋泰氏の講話でした。
参加できなかった会員様、入会を検討している未会員様に講話内容を通し倫理の魅力を少しでも感じていただけたらと思い、私の耳で受けた講話内容と私の感想を添えた形でお伝えします。

 

 

自己紹介: 生まれは上山市楢下
平成8年3月 山形県立東高等学校卒業
平成8年4月 東北大学法学部入学~平成12年3月 卒業
平成16年4月 東北学院大学法科大学院入学~平成19年3月 卒業
平成19年6月 新司法試験合格
平成20年12月 青森県八戸市、たいよう総合法律経済事務所勤務~平成22年12月 退職
平成23年1月 弁護士法人 武田弁護士事務所勤務~現在に至る

 

私は学生卒業後、青森に勤務しました。青森は八甲田山に樹氷があり、蔵王と同様の樹氷が見られ、さくらんぼが収穫でき、美味しい洋梨も栽培しています。どことなく山形県と似ているところが意外とあるため、機会があれば青森県へ足をお運びください。青森の勤務先を退社後は地元に戻り、弁護士法人武田法律事務所で勤務しています。当事務所のホームページがあり「気をつけたい法律のポイント」を掲載しているため、法律的な事柄を知りたい時にぜひ参考にしていただければと思います。また、ホームページ内には「武田正男の独り言」というタイトルでグルメ情報が非常に多く書かれています。お気軽に読んでいただければありがたいです。

 

テーマを苦難福門~~悪質クレーマー対応の法知識~としました。仕事をしていると誰でも苦難はあります。その中の一つがクレーム対応。クレームは良いイメージではないですが、クレーム対応をしっかりしたおかげで、クレームを言ってきた人が良いお客様になったということもあります。対処はその時その時で様々、そして相手の受け取り方でも大きく変わります。
今日はそこに注目してお話しをいたします。
クレームとは通常のクレーム(仕事のやり方に問題があった等)と悪質・不当なクレームに分けられると思います。クレームの内容と方法(態様)がいずれも正当であれば、それは通常のクレームとして扱って問題ないのですが、内容と方法(態様)のどちらか一方でも違法・不当であれば、悪質・不当クレームと判断することになります。
通常のクレームと悪質・不当クレームをどう区別するのか。それは、クレーム内容に「法的な根拠」があるかないか、また、「事実に基づいた根拠・証拠があるかないか」での判断になります。

 

内容が不当な例としては、高額な慰謝料(迷惑料)の請求、正当な理由なき交換・返品要求、土下座の強要、具体的な要求をしないクレーム(誠意を見せろ、自分で考えろ)等々があると思います。
また、クレームの方法が社会常識に反するような場合、例えば多人数で突然押しかけてきて何時間も居座る、怒鳴る行為などは、仮にそのクレーム内容に法的・事実的根拠があっても、悪質・不当クレームと判断することになります。
クレームを言いたくなる人は、感情的になっていることが多いですが、仮に感情的になっていたとしても、担当者の人格を誹謗中傷するような言動はよくありません。社会人として電話でのやり取り含め丁寧な口調を心がけるべきですし、社会常識は守るべきです。
そして、悪質・不当クレームに対応する心構えですが、即断即決しない、ある程度時間をかけじっくり判断することが重要です。
またクレームの原因となっている事実(商品・サービスの欠陥、伴う損害の発生)が存在しているのかどうか。電話でのクレームの場合は相手のいうことに客観的な根拠があるのかどうか、確認することも重要です。
普段、社会常識があって法律も守る人との間の通常業務の場合は、相手が事実と違うことを言っている、というような前提では対応しないと思います。
そのため、突然悪質・不当クレームを受けてしまった場合、その悪質・不当クレームの電話内容をよく確認しないまま、「事実と違うことを言ってくることはないだろうから、たぶん事実だろう。」との前提で聞いてしまいがちです。
しかし世の中には、悪質・不当クレームをつけて利益を得ようとするような方もいるため、クレーム対応にあたっては、できるだけ事実確認を行う必要があります。

 

あるスーパーでの事例として、「あなたのところで売っている商品を食べて腹を壊した、弁償して迷惑料も払え。」とのクレームがありました。しかし、そのクレームの内容を、いつどこで商品を購入したか、商品の製造年月日や品目などの特定を詳細に求める中で、実際には「そのお客さんは、その店で、その商品を購入していなかったんじゃないか。」という結論に至った事例があると聞いています。こういった悪質・不当クレーム対応の際は、客観的資料を求めることが必要で、この事例の場合は、店で商品を購入した際の領収書等の提示を求めることになると思います。
また、このようなクレームを言ってきた人が、けがや体調不良などを主張してきた場合では、病院の領収書や診断書の提示、薬の領収書等の提示を求めることが考えられます。
時には「医者には行っていないが体調不良になったのは本当だ。」などという主張がされることもありますが、それは「医者に行くまでもなかったのではないか」という見方もできます。
仮に裁判の場になった場合、裁判官は、「医者に何日ぐらい通院したのか」などの客観的事実を重視する傾向があると思います。
これと同じように、悪質・不当クレーム対応においても、「客観的根拠・証拠の確認」が重要になってくると思います。

 

また、悪質・不当クレームへの対応方針としては「即断即決しないこと」が重要になってくると思います。
そして、悪質・不当クレームに対しては、繰り返し拒絶対応を行って「平行線」や「堂々巡り・膠着(こうちゃく)状態」に持ち込めば十分です。
悪意を持って悪質・不当クレームを言ってくる人は、そもそもこちらの言い分を理解してくれないと思われます。
そのため、悪質・不当クレームを言ってくる人を「説得して、納得してもらおう」としても、おそらく徒労に終わる可能性が高いと思います。
なお、悪質クレーマーの要求を拒絶し続けた場合、その悪質クレーマーは、矛先を変えてきたりします。
悪質クレーマーは、防御が薄いところ、もしくは情報共有がされていないところに食いついてきて、対応側の矛盾などを巧妙についてきますので、悪質・不当クレームに対応するときは、組織内での情報共有と一貫した対応が重要になってきます。

人は1日24時間しかありません。悪質・不当クレーム対応に時間が取られてしまうと他の仕事ができなくなります。そのため悪質・不当クレーム対応の心がけとしては、対応時間の上限を事前に決めておき、そのクレームの悪質性が高いと判断したら、対応時間をなるべく短くすることが重要だと思います。
社会常識や法律を守らない悪質クレーマーに対して、直接対面での対応をしてしまう場合には、相手方のペースに巻き込まれる危険が高いので、相手の悪質性が高ければ高いほど、面と向かって対応する時間はできるだけ短くした方が良いと思います。
その意味で、書面ベースでのやり取りをするのも有効だと思います。
「おっしゃりたいことがあるなら、間違いがないように紙に書いて出してくれませんか。」と回答して構いませんし、相手方の悪質性が高ければ、交渉のチャンネル(方法)を、「直接対面」や「電話」から、「紙のやり取り」へと移して相手方と距離を取り、こちらが冷静な判断ができるようにすることも有効です。
また、相手方にこちらの回答を伝えるときは、内容証明郵便を活用することが考えられます。
内容証明郵便は、「クーリングオフ」や「契約の解除」等の意思表示をするときに有用な方法です。
内容証明郵便は、いつ、どういう内容の文書を、誰が誰に差し出したか、ということを、日本郵便㈱が証明してくれる郵便で、内容証明郵便を受け取っていれば、そこに記載されている内容を知らない・聞いていない、ということは認められません。
内容証明郵便を出すときのポイントですが、同じ内容の文書3通作成しますが、1枚の文字数など細かな規定がありますので、日本郵便のホームページや窓口で事前に確認が望ましいです。

 

倫理法人会では即断即決を良しと教えられておりますが、時と場合によっては、感情に左右されずに、冷静に正当な答えを出すため、時間をかけた対応が必要な場合もあると思います。
時と場合、それから相手方の性質等による対応方法の違いを理解して頂き、皆様の毎日に役立ててください。

 

本日は時間が限られているため以上の内容となります。また、法的な相談事がありましたら是非お近くの弁護士までご相談ください。
本日はご清聴ありがとうございました。

 

 

講話を聴いて
いつも当会のモーニングセミナーには常連参加者でおなじみの武田朋泰さん。相当な量のお仕事を持ちながらも、いつもにこやかに気さくにいろんな方とあいさつや会話を交わされる様子を拝見しすごい方だなと感じております。
今日は、実際にあった出来事だったり、解決方法、心がけなどをわかりやすく我々に教えてくれました。仕事だけでなく、毎日の生活でも必ず何か「問題」というものがつきまといます。何も無く生きている方はいないのでは…。その問題が起きた時「さっと処理する」という教えがこの倫理法人会ですが、悪質クレーマーには「即断即決しない」「敢えて時間をとる」という具体的な勉強でした。人は慣れていないことが起きた時、不安を感じた時などの対応を迫られた時は、早く終わりにしたい等の行動に出がちですが、それは良くありませんという教えでしたね。私は「時と場合」の違いを学びました。会員の皆さんは毎日誠意をもって仕事に取り組んでいることでしょう。それでもミスやクレームは起きるものです。常に完璧は人間である以上ないでしょう。相手の気持ちを理解しつつ、自身をかえりみて発言し、より良い着地点を目指す。それができない相手ならば今日教わったことを実践してみる。それでも変わらなければ武田弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

 

武田弁護士は博識であり何やらいろんな趣味もお持ちのようです。今日お話しできなかったことを次回に改めて講話いただくことと、そこに武田ワールドもエッセンスとして入れてもらえればすごく楽しみが増えるという気持ちです。

 

武田朋泰さん、本日は貴重なご講話ありがとうございました。

 

それでは皆さん、本日も彩りのある1日にしてまいりましょう!

 

本日のモーニングセミナー参加人数:32名

 

次回のご案内
5月28日(木) 6:30~  山形国際ホテル6階
講師: 一般社団法人倫理研究所 監事 ゴイク電池㈱ 代表取締役 田畑章氏
テーマ: 「人生はドラマ、ビジネスはゲーム」~常にゼロから~

 

本ブログの講話内容記載で誤り等がある場合は、HPお問い合わせ又は事務局
ycrinri@gmail.comまでお申し出ください。

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