会長ブログ

2026.01.16

2026年1月15日モーニングセミナー

2026年1月15日
第718回 経営者モーニングセミナー
講師:山形市中央倫理法人会 顧問 佐藤孝弘 山形市長
テーマ:「令和7年度の山形市政について」

 

ブログをご覧の皆さま、こんにちは!
本日は当会の顧問、佐藤孝弘山形市長にご講話いただきました。
参加できなかった会員様、入会を検討している未会員様に講話内容を通し倫理の良さを少しでも感じていただけたらと思い、講話内容と私の感想を添えた形でお伝えします。

 

プロフィール:平成12年3月東京大学法学部卒業、同年4月通商産業省(平成13年1月より経済産業省に名称変更)入省、平成15年4月経済産業省退職、同年8月起業(おにぎり専門店経営)、平成17年2月日本経営理化協会勤務、平成19年3月公益財団法人東京財団研究員、平成27年9月28日第18代山形市長就任~現在3期目任期中(市長就任11年目)

 

 

明けましておめでとうございます。大雪や大きな災害もなく穏やかに正月を迎えられたかと思います。今年は丑年、やはり丑年といえば、勢い、活力、飛躍といったことがキーワードになろうかと感じ、私自身も山形市政として大きく飛躍する一年にしたいと思っております。
本日のテーマは令和7年度(今年度)の市政についてとしましたが今年度は残り3ヵ月です、私が市長就任11年目に突入したこともあり、これまでの成果と将来に向けての山形市政の展望をお話しします。

 

 

昨年10月に嬉しいニュースが2つありました。
① 米国ナショナルグラフィック「2026年に行くべき世界の旅行先25選」に山形県が選出されました。これが要因のすべてではないと思いますが、冬の山形駅やホテルのロビーを見ていると明らかに欧米系の旅行者が増えたと感じます。山形市も以前よりはだいぶ欧米系の方々から認知されてきたと思っています。市政経営という観点で見ると欧米系の方々は観光消費額(一人当たりが観光地で消費するお金の合計額)が大きいとのデータもあり、地域経済の活性化という意味でも重要なターゲットと感じています。引き続きプロモーションを続けます。
② ジャパンタイムズという英字新聞で、世界に紹介したい日本の自治体ということで山形市が選出されました。評価された理由として、ドキュメンタリー映画祭や芸工大と連携しながらまちづくりを進めたQ1のような大きなリノベーション拠点の活用、また大きく評価されたのがクリーンなエネルギーを使った無散水消雪道路など「歩くほど幸せになるまち」をコンセプトにしたまちづくりの取組です。
山形市の二大ビジョンの一つである文化創造都市というところに着目して選んでもらえたことを嬉しく思います。

 

 

山形市の人口減少への向き合い方として、市民生活や商売をされている方から見て、観光というのは生活の外にありあまり関係ないと思われる方もいるかもしれませんが、そうではないということを申し上げたいです。まずは人口減少という課題についてですが、「人口は人の口」とはよく言ったもので、例えば飲食店をやっているとそのエリアの中で人口が減っていくと、人口が減ったからといって、一人四食食べるようにしてくださいというわけにはいかないのでどうしても先細りとなります。では人の口を増やすにはどうしたらいいか。それは「交流人口」を増やすことが大事になってきます。「交流人口」というのは、 外から山形市に入ってくる方(観光・ビジネス等、市内居住者以外に山形市に外からくる人)。
その方たちも当然食事をします。ですから市内の飲食店でそういう方々が食事をすれば域内人口が減った分の売上をカバーし、あるいは増やすこともできるということだと思っております。これは飲食、小売、サービス、つまり直接エリア内の方々を相手に商売をする企業においては全て共通して言えることだと思っております。

 

山形市には蔵王と山寺という全国的知名度の高いコンテンツがありますが、これまではうまく連動できていない部分があったり、また中心市街地にも多くの観光資源があるが、うまく活用できていなかったり、という声を聞いてきました。これからは蔵王、山寺、そしてまちなかの3つをしっかり連携させ、市全体で観光都市としての側面を強くしていきたいと思います。また山形市だけでなく周辺の市町とも連携して観光施策を進めていきます。
例えば、国際ホテルさんに1週間ぐらい連続で宿を取り、ホテルをベースに銀山温泉、山寺、出羽三山などを周る、という回遊観光スタイルがあります。こうした観光スタイルは外国の方が多く行うもので、山形駅周辺の重要性が高くなります。山形駅周辺をハブとして、東口ビブレ跡地に日本一の観光案内所を設置して戦略的に観光振興に向けた取り組みを進めてまいります。

 

 

昨年7月、山形県の人口が100万人を切ったという大きなニュースがありました。現在確定している数字は2020年(令和2年)の国勢調査で、山形市の人口は24万7,590人。現象の多くは自然減(亡くなる方と生まれる方の差)です。そうした中、東北・北海道の人口20~50万人の中核都市で2020年国勢調査確定値(人口数)を100%とした国立社会保障人口問題研究所の将来推計を用い、2050年時点の人口割合を比較すると、仙台市ですら2020年を100としたとき、2050年は91.1%(マイナス8.9%)となっています。その他の都市は60~70%台、特に函館市は60.4%(マイナス39.6%)で激減が予想されています。その中で山形市の2050年の数値は80.4%(マイナス19.6%)とかなり頑張っている予想となっています。これまでのチャレンジする市政の成果が出てきていると感じています。

 

人口が減るとどうなるかという視点で「1人当たりGDP・1人当たり県民所得はどうか」というと報道によれば、山形県は東北6県の中で1人当たり県民所得が1位ということでした。これは山形の経営者の皆さんが賃上げ努力をしてこられた賜物であり、心より敬意を表します。
一方、行政として重要なのは市民1人当たりの市税収入です。山形市は平成28年から増加を続けており、人口減少局面でも1人当たりで見ると増加しております。
市税収入の根幹は住民税(所得を反映)と固定資産税(資産を反映)の2つであり、この2つの税収で経済の活発度合いが見えてきます。右肩上がりの増加は良いことで、ますますこの数字を増やしていく必要があります。
一般会計当初予算の推移は平成27年度から年々増加しています。令和7年度は1,055億円。令和8年度予算(編成作業中)は最高額を更新する見込みであり、引き続き積極的な行政を継続してまいります。
ふるさと納税については対前年推移でみると今年度も記録更新する見込みです。右肩上がりで増加し昨年度は過去最高額の47億円を計上しました。今年度は12月末までで44億9,000万円、3月末までの残期間を考慮し、今年度も過去最高額を記録する見通しです。山形が生み出す良いものをPRすれば、成果が得られるということが改めて認識できます。

 

 

健康医療先進都市としての成果は男性・女性ともに平均寿命と健康寿命がともに延びています。また、平均寿命と健康寿命の差が短くなっている。その差の縮小は、元気でいる期間が長いことを意味し、大変良いことです。『ピンピンコロリ』という言葉があるように、元気な期間が長期化していることが評価できます。
取組の具体策として10年かけて『SUKSK(スクスク)生活の推奨』を行っており、健康ポイント事業「SUKSK」をはじめ、地域での百歳体操の場づくりなど細かな施策も展開しています。ビジョン掲げ続けていくことが大切であり、地域での取り組み成果も出てきたのだととらえています。最近では他自治体からの視察も増えています。

 

 

救急医療情報共有システムの運用とデジタル活用として
救急現場での情報をより早く医療機関と共有するためのシステムについて、運用実績が蓄積されてきました。救急搬送時に、どの病院に運ぶかの決定プロセスをデジタル化(以前は1件1件電話連絡していたが、現在は複数の病院に患者情報を一斉送信して受け入れ照会を行う仕組み)により効率化が図れました。
成果として病院決定時間が2分短縮できた。この取り組みが評価され、日本DX大賞2025地域DX部門で大賞を受賞。全国の自治体等のデジタル化好事例のプレゼン大会で全国1位を獲得しました。

 

昨年9月におもてなし山形トライアスロン2025in蔵王を開催しました。
どうしても蔵王でトライアスロンをやりたいという市民からの強い要望があり、市が協力し企画構想から一年で大会として実現しました。初回から『公式の大会』として認められ、291名の参加者(90%は県外参加者)が集まりました。盃湖での水泳をはじめ、バイクとランは過酷な登坂や悪路がほとんどであり、日本一過酷との参加者からの感想・評価でした。中には『世界一過酷だ』という参加者もいたほどですが、その過酷さがむしろ参加者の喜びにつながる傾向があり、満足度が高く、過酷さは『売り』になり世界中から参加者が来る大会に育つ可能性を感じました。今後は主催者と相談しつつ、蔵王の名物の一つに育てたいと思っています。併せてトライアスロン参加者は高所得層が多いこともあり、地域への経済効果を期待しています。昨年は初回で反省点も多くあり、より改善を重ねて継続したいと思います。

 

 

中心市街地の取組は『歩くほど幸せになるまち』というビジョンのもと、中心市街地で大改造といえる規模のプロジェクトを同時並行で推進しています。既に完成済みの『Q1』などの施設、建設中のもの、企画構想段階のものが混在し、観光振興とも密接に関連しています。
山形銀行本店が今夏前頃に完成・オープン見込みで、単なる銀行建替えではなく、角部分が吹き抜けのような外観。2階も含めて公共スペースを有し、山形銀行、市、国が補助をしながら中心市街地活性化に資するスペースを創出し、花笠まつりや多彩なイベントでの活用が期待できます。
また、中心市街地の歩行者通行量が増加しており、平成21年の調査開始以来、昨年10月の定点観測で通行量が過去最高となりました。旧大沼デパートがあった頃よりも通行量が増加している。ただ、激増ではないため、引き続き各取り組みを着実に進めてまいります。また、消雪歩道ネットワークの拡充が進んでおり、今後は道路拡幅などに併せて接続予定で、中心市街地一円の消雪歩道ネットワークが完成する見込みです。
粋七エリア整備事業は御殿堰、ルルタスがある既存エリアの上流部分に延長するエリアの整備を進行中で、工事が目に見えて進展しています。今まで両側に建物が張り付き、堰が見えづらい、蓋がされて見えなかった堰を、目に見えて開放感のあるエリアへの再生を目指します。
料亭野々村さんにあった樹齢300年とされるエドヒガン桜をシンボルツリーとして保存し、粋七エリアの象徴とするほか、堰沿いに小道を設け、両脇に店舗を配置し、休憩スペースも整備。気持ちよく歩ける街路空間を創出し、回遊性を高めます。令和9年度中の完成を目標に急ピッチで工事が進行中です。
また、旧千歳館の工事も開始しております。伝統ある料亭であった千歳館が、新たに観光施設として生まれ変わる計画です。
山形舞子の踊りを気楽に観覧できる場として整備し、外国人観光客にも楽しめるようにします。姉妹都市の市長など外国からの来訪者は山形舞子の鑑賞に大きな喜びを示すため、強力なキラーコンテンツと位置づけています。また料亭への宿泊機能を付与し、『普段できない体験』を提供します。
新・市民会館は来年度8月以降に建設工事に着手する予定で現在準備が進んでいます。設計は平田晃久氏であり原宿の『原角(ハラカド)』を設計した建築家です。この一年、ワークショップや利用者との意見交換を重ね、当初よりも内容が充実してきました。コンサート開催時のみ稼働する施設ではなく、日常的に市民や観光客が賑わう市民会館を目指します。現市民会館で『市民会館シンポジウム』を実施し設計者の平田氏が設計意図・持たせたい機能を直接市民に説明しました。そのシンポジウム内容は全てYouTubeで視聴可能であり、設計者の話を直接聞ける貴重な機会ですので、ぜひ視聴をしてみてください。

 

 

持続可能なまちづくりをどう実現するかが第一で、そのために二大ビジョンを掲げ、観光を含むさまざまな政策を推進中です。全国の地方は厳しい状況にありますが、山形市には先人が築いた素晴らしい資源・宝物が多数存在しています。その資源を磨き、PRし、外に売り込むことで持続可能なまちづくりは必ず実現できます。今年もそれぞれの立場でチャレンジし、共に一歩を踏み出していきましょう。
ご清聴ありがとうございました。    終

 

講話を聴いて。
佐藤市長は今年で市長就任11年目を迎えられました。
昨年お話しいただいた山形市の2大ビジョン=健康医療先進都市・文化創造都市の継続を中心にその周りを取り囲む多くの事業や成果を細かく説明してもらいました。
特にここ2・3ヵ月(秋~現在)の山形駅周辺では欧米人の姿が多くなったこと、山形駅前でバスを待つ行列が多く(長く)なったことを私も見て実感しております。講話中に「明確なビジョンを掲げ、続けていく」という言葉が多く出ました。就任当初、すぐには出なかった成果が10年の月日が経ち、目に見えてきたお話しが印象的でした。

 

人口減少は避けられない問題ですが、交流人口を増やし山形市にお金を落としてもらうことや救急医療DXで助かる命を多くしていること、歩くことで健康をつくること、そして何より山形はこんなに魅力的なまちなんだと自分の子供や友人に言えるような街づくりをしている市政に今まで以上に期待を持てる講話でした。
今年の成人式では、「山形に戻ってこい」と新成人にエールを送った佐藤市長。
私もそう言えるよう、山形市民の緊急時に駆けつける車づくりの仕事に誇りをもって続けていこうと改めて思いました。

 

佐藤市長、本日は貴重なご講話ありがとうございました。また、来年も聞かせてください!

 

それでは皆さん、今年1年と本日も彩りのある1日にしてまいりましょう!

 

 

本日のモーニングセミナー参加人数:103名
次回のご案内
1月22日(木) 6:30~  山形国際ホテル6階
講師:山形県倫理法人会 幹事長
㈱イークオリティ山形支社長 兼 東日本統括部長 兼 本社付経営戦略室長 柴田一志氏
テーマ:手段を超えて目的へ “感謝”を中心に生き直す

 

本ブログの講話内容記載で誤り等がある場合は、HPお問い合わせ又は事務局

ycrinri@gmail.comまでお申し出ください。

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